彼女は決して、派手なプレイヤーではない。
どちらかというと、玄人好み。

守備での安定感がセールスポイントだが、
攻撃が目立たない、という訳でもない。

相手ブロックを利用するのも巧い
小柄だがジャンプ力もあり、強打もある。

初の全日本招集から今年で4年目。
まだまだひと花もふた花も咲かせたい。

日立リヴァーレの攻守の要・内瀬戸真実選手。

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個性きらめく女子選手の中で、内瀬戸選手はマイペースに映る。
どちらかといえば職人タイプ。

そんな彼女は延岡学園高校出身。
1年からレギュラーを務め、インターハイや春高バレーに出場し活躍。
一個上の先輩は新鍋理沙選手。

卒業後は名門・鹿屋体育大学に進学。
4年当時、全日本インカレの優勝に大きく貢献。自らもスパイク賞・ブロック賞およびレシーブ賞を獲得。
ドライブサーブを得意とした。

ドライブサーブとはトスを高く上げサイドハンド気味に回転を掛け、相手手前で落とすサーブ。
無回転のジャンプフローターとは逆で、現在は使い手が少ない。*下記映像参照。

彼女が日立の内定選手になったのは2014年1月にデビューを飾ると同年4月、Vリーグ20周年ニューヒロイン賞に輝き、同月には日本代表に初選出される。

この2014年は内瀬戸選手にとっても躍進の年で、翌月のモントルーバレーマスターズにて全日本デビュー。
そして同年8月のワールドグランプリで国内デビュー。

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更に躍進は続き、2015年のワールドカップに出場。
ロシア戦やドミニカ共和国での大活躍が印象深い。

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この時の活躍で全日本に定着した内瀬戸選手。
チームに戻っても、また充実期に入っていく。

2015/16シーズン。
超高速バレーを掲げる日立は優勝戦線に食い込み、ファイナルに進出。

大黒柱パオリニ選手を中心に、遠井萌仁選手とともに攻守の要として内瀬戸選手も不動のレギュラーとして活躍。司令塔の佐藤美弥選手、リベロ佐藤あり紗選手、ルーキー渡邊久惠選手、井上奈々朱選手ら体制も整い、王者久光の天敵としてレギュラーラウンド3連勝。

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三位でファイナル6に進出すると、4勝1敗の堂々の首位で、ついにファイナル進出。
日立はチャレンジャーらしく積極果敢に先手を奪い、第一セットを先取。
しかし、第二セットの接戦を久光に奪われると攻守が逆転。
惜しくも優勝を逃す。

だが、これらの活躍により内瀬戸選手の価値は不動のものとなっていく。
しかしながら、全日本は層が厚い。

そう、4年に一度のオリンピックイヤー。
出場枠はわずか12名。

サーブレシーブに苦しむ全日本。
内瀬戸選手はリオの最終選考を兼ねるワールドグランプリに出場。
しかし、狭き門を突破するにはいたらず、リオのメンバーはOQT出場メンバーの中から選ばれた。

それでもバレー選手に休む暇はない。
今年こそ優勝を狙う日立は、新外国人選手CJことカースティ・ジャクソン選手を迎える。
首位争いを続け、年内最終戦で宿敵の久光を破り首位で年を超える。
天皇杯・皇后杯でも両チームによる決勝戦が行われるも、こちらは久光がリベンジし、同大会5連覇を達成。


ところが、年明けにてエース渡邊選手を欠いた日立は苦戦。
急浮上するNECに首位を明け渡すとファイナル6も苦戦。
渡邊選手が復帰するも本調子ではなく、NEC、久光に連敗し黄信号。
東レとトヨタ車体を破り、辛うじてファイナル3の切符をつかむも、それも最終戦のJT戦の直前。

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それでもファイナル3の下馬評は長岡選手を欠く久光よりも有利。
しかしながら、総力戦で戦う久光を前に連敗を喫し、2年連続でのファイナル進出は途絶えた。

しかし、年間に渡り日立のコートを守り、安定したサーブレシーブを披露。7位にランクインした内瀬戸選手もまたこの活躍で高評価を得て、再び全日本に戦場を移す。

体制も一新した全日本。
まずはライバルとの闘いになるが、キャリアもある。
もう全日本では新人ではない。

セールスポイントは守備力、そしてサーブレシーブ。
筋金入りの強さで勝負の年。

さあ、これからがリスタートだ。


*内瀬戸選手のドライブサーブ