今年、2シーズン振りにVプレミアリーグ復帰を叶えたJTマーヴェラス。

初年度からいきなり優勝争いに加わり、一時はトップを快走した。

そのJTマーヴェラスの司令塔は、今年全日本でも二年目を迎えるコンビバレーの申し子、田中美咲選手。

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彼女は国学院栃木高校出身。
後輩に岡山シーガルズの大型セッター・宇賀神みずき選手がいる。

春高、インターハイで活躍した田中選手が選んだ進路は名門・嘉悦大学。

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その時のチームメイトは現在もチームメイトとして活躍する寺井有美選手。
大学3年当時、念願の全日本インカレで大学日本一を果たし、セッター賞を受賞。
ユニバーシアード代表としても活躍。

二人は揃ってJTマーヴェラスに入団。
だが、難しい時期の入団となった。

当時、JTは低迷しており、チャレンジマッチで上尾メディックスに敗れ、チャレンジリーグ降格の憂き目に遭う。

チームは転換期に合った。

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翌、2014/15シーズン、早くもレギュラーを獲得したJTは17勝1敗の好成績で優勝を飾り、チャレンジマッチでトヨタ車体と対戦。
初戦をフルセットの末先勝。しかし、第二戦を3-1で落とし、プレミア復帰を逃す。

この悔しさを晴らすべく、同年の黒鷲旗大会では連日のフルセットの大逆転で制し、迎えた決勝戦、因縁のトヨタ車体をストレートで降し、史上初のチャレンジリーグからの優勝チームの快挙を果たす。

しかし、その喜びに浸る間もなく、吉原知子監督が新監督に就任。チームのてこ入れだった。

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吉原新体制の下、JTはそれまでの練習量を大幅に増やし、闘う集団に変貌。
勿論、その司令塔は田中選手。
何と2015/16シーズンはチャレンジリーグで全勝優勝を果たすと、迎えたチャレンジマッチの対戦相手は因縁の上尾メディックス。

再三競り合う場面にもJTは一向に怯まず、二戦ともストレート勝ちを収め、遂に待望のプレミア復帰を果たす。

更に続く黒鷲旗大会を連覇。

まさに、プレミアに下克上を仕掛けるJTの姿がそこにあった。

そして迎えた注目の2016/17シーズン。
開幕戦の相手は女性監督・多治見麻子さん率いるトヨタ車体クインシーズ。
しかし、初陣のトヨタ車体を一蹴し、幸先の良いスタートを切ると、早くも優勝戦線に加わる。

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しかし、日本最高峰のプレミアは甘くない。
エース潰しやサーブレシーブを狙われ、持ち前のコンビを封じられるとズルズル交代。
一時は5位にまで落ち込んだ。

ここでJTはサーブレシーブにてこ入れし、井上選手をレシーバー兼ピンチサーバーの切り札と配置転換。2レグ以降見違えるようにサーブレシーブが回復し、チームは4位に復帰した。

しかし、オヌマー選手を体調不良で欠く中、奮戦するJT。だが、最終戦の日立戦を待たず、無念のファイナル6敗退が決定した。

この試合が不思議な試合となった。

ファイナル3進出で気が抜けた日立と、最後まで望みを捨てないJT。

気力を取り戻した日立との試合はまるで、優勝決定戦のような熱戦となり、JTは勝って最後を締めくくった。

勿論、全セット田中選手が出場し、チームメイトと涙の勝利を勝ち取った。

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これがシーズン最後の試合となった。
そして、田中選手は二年連続で全日本の切符をつかみ取った。

目下のライバルは3人。

全日本で最もキャリアのある宮下選手。
高速コンビの申し子、佐藤美弥選手。
そして、上尾メディックスをVプレミア昇格へと導いた冨永こよみ選手。

コンビバレーを信条とする田中選手の一番の武器は、もしかしたら「勝ちきる経験」かもしれない。

本人も意識する「東京」
それへの重要な一年。

まだ横一線のスタートライン。
ここでも勝ちきる。

全てはオリンピアへの第一歩を掴むために。
目指せ、東京へ。

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蒼き空のように、志天高く。