本稿では今年2018年、新たに加わる新戦力、或いは復帰組、故障でシーズンを棒に降ったなども含めた選手を紹介していきます。

第一回の今回はこの選手。
芥川愛加選手(JTマーヴェラス)です。

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芥川選手といえば、長岡望悠選手と同じ東九州龍谷高校出身。

所謂「伝説の東龍」のひとりとして、春高、インターハイ優勝をはじめ、アジアユース、アジアジュニア選手権優勝など輝かしい実績を誇り、天皇杯・皇后杯ではVプレミアリーグの各チームをバタバタと倒す快進撃で勇名を馳せた。

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コートネーム:アイカ

生年月日:1991/04/03

身長(cm)180.0

最高到達点(cm):303.0

サージャントジャンプ(cm):46.0

出身地:熊本県宇土市

出身校・前所属チーム:
東九州龍谷高校

そんな芥川選手が全日本に登録されたのは2010年のこと。高校卒業後はJTマーヴェラスに入団。

芥川選手が入団したい2010/11シーズンはエース・キム・ヨンギョン選手と竹下佳江選手のコンビ。大友愛選手も在籍し、黄金期を迎えていました。

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しかし、翌シーズン以降チームは低迷期を迎え、2013/14シーズンは7位に終わり、上尾メディックスとのチャレンジマッチに敗れ、チャレンジリーグ降格の憂き目に遭います。

チャレンジリーグに降格すれば敵なしのJTは2014/15シーズン、芥川選手は奥村選手とともにミドルの中軸として活躍、チームは17勝1敗の好成績で優勝し、トヨタ車体クインシーズとのチャレンジマッチに挑む。
第一戦をフルセットの末に破ったJTだが、続く第二戦3-1で敗れプレミア復帰を逃す。

この無念をバネに続く黒鷲旗大会では、並みいるプレミアの強豪をなぎ倒し、決勝戦では因縁のトヨタ車体をストレートで破り、史上初のチャレンジリーグチームとしての優勝を飾る。

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が、それでもチームはてこ入れを図る。

吉原知子監督の招聘である。

チームをプレミア復帰させることを第一に考えての更なる強化である。

迎えた2015/16シーズン。
JTは向かうところ敵なしの快進撃を続け、21戦全勝優勝を達成。
芥川選手はJTの切り込み隊長としてアタック決定率1位、ブロック決定本数2位の好成績を収め、スパイク賞、MVPを獲得。 
更に因縁の上尾メディックスとのチャレンジマッチでは、上尾に押される場面もありながら二戦ともストレートで破り、悲願のプレミア復帰を実現。
更に黒鷲旗大会も連覇し、最高の形でのプレミア復帰を果たした。

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ところが、好事魔多し。
芥川選手は故障により翌2016/17シーズンの開幕に間に合わず、ようやく復帰したのはファイナル6に入ってから。

チームはファイナル3進出を逃すも、初年度4位と健闘を見せた。

しかし、これで満足するようなJTではない。

芥川選手は満を持す形で翌2017/18VプレミアリーグにてJTのレギュラーとして開幕スタメンに名を連ね、チームの躍進に貢献。
課題であったミハイロビッチ選手の攻撃力を生かすべく、奥村選手とともにコンビバレーを展開。
サーブレシーブの安定も相成って、チームは独走を続ける久光を追走。レギュラーラウンド2位でファイナル6に進出する。

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JTはファイナル6でも全勝を続け、ここまで公式戦全勝の久光と最終戦で私有を決することになった。

そして、今年最大級のドラマを生まれる。

JTは強化していたサーブとブロックが機能。
芥川選手は奥村選手ともに5ブロック、1サービスエース、13得点を上げ両ミドルが機能。課題のサーブレシーブでも7割超えと久光を凌駕。3-0のストレートで、遂に無人の野を行く久光の連勝記録をストップさせ、勇躍ファイナル進出を決定させた。

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チームのスローガン
「何がなんでも優勝」へ大きく前進した。

しかし、久光はそれほど甘い相手ではなく、分厚い壁として立ちはだかった。

ファイナル3に向け課題のサーブとブロックを強化した久光はトヨタ車体を二戦ともストレートで破り、リベンジに燃える。
ファイナルでは久光にサーブで先手を取られ、お株を奪われる形で第一セットを落とし、ようやくエンジンが掛かってきたのは第二セット以降。しかし、競り合いでもリベンジに燃える久光に屈し初戦をストレートで落とす。

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一週間のインターバルを経て臨んだ第二戦。チームは内定選手の林選手を抜擢するも、久光の先制攻撃の前に第一セットを落とし、挽回を図るも久光の前に無念のストレート負けを喫し、JTの2017/18シーズンは終わった。

だが、この健闘は無駄ではなかった。

芥川選手は年間を通じ、奥村選手ともにJTの切り込み隊長として活躍。チームメイトの奥村選手と遜色ないアタック決定率9位、ブロック決定本数でも4位にランクされ、2010年以来の全日本への切符を勝ち取った。

数年前まで失意の中にいたチームから目標をひとつずつクリアし、頓挫しても尚、トップを見つめ続けたご褒美が、全日本という形で現れた。

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果たしてこれからが本領発揮かどうか、それは芥川選手の努力次第。
 
ただ、やることは変わらない。
上を見続け、前進あるのみ。

2018年の芥川選手に注目したい。