本稿では今年2018年、新たに加わる新戦力、或いは復帰組、故障でシーズンを棒に降ったなども含めた選手を紹介していきます。

第五回の今回はこの選手。
田代佳奈美選手です。 

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田代選手に新参入の言葉はふさわしくない。
それもその筈、既にオリンピアの称号も得ている。それも、数少ないチャンスを物にする強運の持ち主。

この場合、中田ジャパン新参入の意味を差す。

そんな田代選手は中学時代長野県代表に選出されJOCカップの優勝に貢献。名門・古川学園高校に入部を果たすと、春高準優勝を果たし、アジアユースにも出場。ここでも優勝を果たす。

そんな彼女が卒業後の進路に選んだのは当時、黄金時代だった東レアローズ。今年行われるアジアカップのメンバーとして2012年時に出場を果たしている。 
この時出会ったメンバーに長岡、石井、大竹、鍋谷選手たちがいる。

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ロンドンオリンピックでの全日本女子バレーボールチームが銅メダル獲得を果たしたその翌年となる2013年、田代選手は第二期眞鍋ジャパンのメンバーとして選出され、第1回U-23世界選手権のキャプテンとして出場。見事銅メダルを獲得。この時のメンバーに島村、鍋谷、高橋、古賀、伊藤選手たちがいて、のちに全日本シニアへステップアップを果たしている。

この前後の事情は、「彼女はバレーボーラー」の「月刊 田代佳奈美」に詳しい⇒http://volleyballplayer.blog.jp/archives/17933897.html

中道瞳選手の後を受け、東レのレギュラーセッターとして活躍。2016年、OQTの最終戦・オランダ戦で全日本デビューを果たすと、フルセットの末撃破し、日本の予選二位通過に大きく貢献。
この時の活躍が認められ、リオデジャネイロオリンピック出場を果たした。

一発勝負に強いイメージのある田代選手だが、体制一新された中田ジャパンの初年度メンバーに田代選手の名前はなかった。

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木村沙織、迫田さおり両選手を欠き、優勝から遠ざかっている東レは2017/18シーズン、堀川、黒後選手にケイディ選手体制で連敗スタート。サーブレシーブが安定すると成績が上昇。チームは白井選手を育てたい意向であったが、中盤以降結果が伴わず、田代選手の出番が増える。

この時の活躍が認められ、田代選手は全日本へ一年ぶりに復帰する。

そんな田代選手にいきなりチャンスが訪れた。昨年活躍した佐藤美弥選手が肩の故障で出遅れ、田代選手が抜擢される。

苦戦続きのネーションズリーグではあったが、田代選手は同大会のメインセッターを務め復活の兆しを見せ、ベストセッターランキング5位につけた。

ハイライトは第四次ラウンドのタイ戦。
OQT以上の大激戦となったこの試合で、日本は最終セット20点を越える熱戦を制する。

のちにアジア競技大会でのストレート負けを思えば、大きな分岐点となる試合でもあった。

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その後、佐藤美弥選手の復帰もあり、アジア競技大会では出場機会に恵まれなかったが、今は世界選手権に向けて虎視眈々とチャンスを伺う。

現時点では今年一年で最もパフォーマンスの良かった全日本セッターである以上、有資格者だ。

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来季は長らく活躍した東レを離れ、井上、斉田選手らとともにフェルハトコーチの所属チームであるルーマニアのCSMブカレストにて活動することが決まっている。

後顧の憂いもなくなり、あとは東京オリンピックへの切符を掴むだけ。

自身二回目のオリンピック出場はなるか?
そして二回目はどんなオリンピックとなるのか?

すべてはこれから。
頑張り次第。